郵便ポストにファンタジー ~サンタクロースはクリスマスじゃなくても来てくれるらしい~





引越しをしてから3ヶ月目頃、
まだなんとなく新しい家と、新しい生活になれず、
心があわあわとした日々を過ごしていた。
そんなある日、仕事帰りに郵便ポストをのぞくと、
小さな茶色の包みが配達されてた。

???

茶封筒を手に取ると、見覚えのある文字。
封をあけると可愛く包装された文庫本とカードが入ってた。
カードに書かれたメッセージを読む前から、じーんと響いて目頭が熱く...
一式を胸に抱え、いそいそと部屋に帰る。



封筒に入っていた単行本。
「春の窓」/安房直子 著
表紙のイラストは100%ORANGE!
~ほろ苦い大人ファンタジー短編集~




ひとつ深呼吸してから、カードを読むと、
「この本があまりにも良かったから、
頁をめくるたびに、はなちゃんに読ませたいと思った」
そのメッセージに感動して号泣。

★ ★ ★ ★

送り主である彼女とはヨガを通じて知り会った。
育って来た場所や環境もまったく違うし、
趣味もライフスタイルも噛みあわない。笑
そういってお互い笑うけれど、
本と映画の趣味は恐ろしいほどあう。
こういうのって不思議。

しかも、新作・旧作かかわらず、
同じようなタイミングで同じ作品を選ぶ、
シンクロ率が高い!

最近はお互い違う道を歩きはじめて、
会う機会がめっきりと減ってしまったけれど、
久しぶりの連絡に、空白を埋める長い前置きや、
いまでも仲良しだよね?の確認もいらない。
こうやって好きな本を共有するだけで、
温かくなれるのがうれしい。

慣れない生活ですこしの間、
大切なことをおろそかにしてたけれど、
不足のない世界にいるんだということを、
改めて思い出させてくれた出来事。

季節はずれのサンタさん。
ありがとう。




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